Gulfood2025 参加レポート|ドバイの観光スポットと日本食の市場トレンドを探る

2025年2月17日、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイにて開催された世界最大の食品・飲料業界の展示会、『Gulfood2025(ガルフード2025)』に参加しました。

私たち対馬水産は、世界各国の展示会に参加・出展にあわせて、現地の魚市場やスーパーマーケット、観光名所などを訪れ、その国ならではの食文化と市場のトレンドをリサーチしています。

この記事では、展示会のハイライトに加え、ドバイの活気あふれる魚市場の様子や地元スーパーのラインナップ、さらに増加中の日本食レストラン事情についても詳しく紹介します。

海外市場への進出や、中東の食トレンドに関心のある方にとって、現地でしか得られないリアルな情報をお届けするので、ぜひ最後まで読んでみてください。

このコラムでは、ドバイ以外にも世界各地の市場調査レポートを公開中です。どうぞご覧ください。

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Gulfood2025(ガルフード)2025の様子

gulfood2025

Gulfood 2025(ガルフード2025)は、世界最大級の食品・飲料業界の展示会です。

Gulfood 2025(ガルフード2025)概要

  • 開催日:2025年2月17日(月)〜21日(金)
  • 開催地:ドバイ・ワールド・トレード・センター(Dubai World Trade Centre)
  • 主催者:Dubai World Trade Centre(ドバイ・ワールド・トレード・センター)
  • 参加国数:180か国以上(予定)
  • 出展企業数:5,000社以上(世界各国の食品・飲料メーカー)
  • 来場者数:10万人以上(業界関係者、バイヤー、シェフ、起業家など)

毎年、中東ドバイで開催され、世界中からトップブランドや新興企業、バイヤー、そして業界のプロフェッショナルたちが集結します。

gulfood
ガルフード2025

以下で、展示会のハイライトを画像付きでレポートします。

gulhood2025
世界各国の展示ブースの様子①

最新のトレンドや製品、そして食にまつわる技術革新が一堂に会するこのイベントは、まさに“食の未来”を体感できる場。

食とビジネスが国境を越えてつながる場として、Gulfoodはその存在感を年々強めています。

gulfood2025
世界各国の展示ブースの様子②

こちらは、日本の展示ブースの様子です。

海外でも日本食への関心は高まっており、大変にぎわっていました。

galfood2025
日本のブース

また、代替タンパク質やビーガン食品、環境配慮型パッケージといった持続可能な食品に加え、AI・IoTを活用したフードテックが注目を集めました。

Gulfoodでは世界中のバイヤーと直接商談できるBtoBの機会が豊富にあります。

中東・アジア・欧州市場への展開を目指す企業にとっては大きなチャンスとなるGulfoodは、ブランド認知の向上や最新トレンドの把握にもつながる、非常に価値のある展示会でした。

ドバイの観光スポットを紹介

dubai

ここからは、ドバイ観光で外せない名所を厳選して紹介します。

SNS映えも叶う観光名所

  • ブルジュ・ハリファ
  • ドバイ・フレーム
  • ジュメイラ・モスク

それぞれ見ていきましょう。

1. ブルジュ・ハリファ|空中体験できる世界一の超高層ビル

ドバイ観光

高さ828m、世界一高いビルとして有名な「ブルジュ・ハリファ」。ドバイ観光といったら外せない、定番の超高層ビル群です。

その展望台「At The Top」から見下ろす景色は圧巻で、都市と砂漠が融合した光景はまさにドバイらしさを象徴しています。

2.ドバイ・フレーム|旧市街と新市街を見渡す巨大な額縁

ドバイフレーム

一見アート作品のように見える「ドバイ・フレーム」は、ドバイの“過去と未来”を1枚の景色で楽しめるユニークな穴場スポットです。展望フロアの床は一部ガラス張りになっていて、スリル満点の体験もできます。

混雑しにくく、比較的ゆっくりと景色を楽しめるのも魅力です。

3. ジュメイラ・モスク|白亜の建築美と異文化を体験できる穴場スポット

ブルジュハリファ

イスラム文化に触れられる貴重なスポット、「ジュメイラ・モスク」。

非イスラム教徒にも開放されている数少ないモスクです。ガイド付きの文化体験ツアーも開催されています。

静かな雰囲気と美しい白の建築が調和し、写真映えも抜群。喧騒を離れてゆったりとした時間を過ごしたい方にぴったりです。

ドバイの魚市場の様子

Waterfront Market ウォーターフロント・マーケット

ドバイにはいくつか魚市場がありますが、特に有名なのが「ウォーターフロント・フィッシュ・マーケット(Waterfront Market)」

2017年にリニューアルされた近代的な魚市場で、早朝から新鮮な魚介類を求める地元の人々やレストラン関係者で賑わっているほか、週末は家族連れも多く訪れます。

種類豊富な魚種もポイントです。

ウォーターフロント・フィッシュ・マーケットで扱われる魚種の一部

  • マグロ、ハマチ、タイなどの大型魚
  • エビ、カニ、イカ、ロブスターなどの甲殻類
  • シャーク(サメ)やキングフィッシュなどの中東ならではの魚種

市場内には魚の加工スペースがあり、その場でウロコ取りや切り身などの加工サービスを受けることができます。

また、野菜・果物売り場や精肉コーナーも併設されており、購入した魚を併設のレストランで調理してもらうことも可能です。

現地の食文化を体験できるのはもちろん、どのような魚が人気なのか、流通のスタイルや価格帯の傾向を知ることもできるため、ビジネスのリサーチにも役立ちます。

ドバイのスーパーマーケットに並ぶ魚介類の種類や価格をリサーチ

ドバイ スーパーマーケット

ドバイのスーパーマーケットには、地元アラブ首長国連邦(UAE)近海で獲れる魚はもちろん、アジアやヨーロッパ、アフリカからの輸入品も豊富で、バラエティ豊かなラインナップが特徴です。

店頭では、ハムール(ハタの一種)やシャリー(フエダイ)、キングフィッシュ、エビ、カニ、さらにはマグロやサーモンもよく見られます。

特にノルウェー産のサーモンは、ドバイで人気が高く、スーパーマーケットやオンラインストアで購入可能です。

魚介類の価格帯は、種類や産地によって幅があります。

例えば、ノルウェー産サーモンは1kgあたり約60〜80AED(約2,400〜3,200円)ほど、キングフィッシュなどのローカル魚は1kgあたり約30〜40AED(約1,200〜1,600円)前後が相場のようです。

一方、輸入品や希少価値の高い魚は、100AED(約4,000円)を超えることも珍しくありません。

現地で人気のレストラン「Dum Pukht(ダム・プクト)」

ドバイ 料理

観光客向けの高級レストランも多いドバイですが、地元の人たちが日常的に通うお店もまた、街の“素顔”を感じられる大事なスポットです。

今回訪れた「Dum Pukht(ダム・プクト)」もそんな一軒。

2004年創業で、パキスタンやインド料理を中心とした本格的な味わいが地元の人々に支持されているお店です。

名物は、壺のような器で蒸し焼きにされた「ダム・ビリヤニ」

ふた代わりのナンを開けると、スパイスの香りとともに湯気が立ちのぼり、食欲をそそります。

店内はカジュアルで落ち着いた雰囲気で、多くの客が家族連れやグループで食事を楽しんでいました。

ドバイの多国籍な食文化を感じたいなら、こうしたローカルに愛されるレストランを覗いてみるのもおすすめですよ。

Information

ビリヤニが名物!Dum Pukht(ダム・プクト)公式サイトはこちら

現地の人々の朝食事情や注目のレストラン

ZAM ZAM MANDI RESTAURANT Al Karama

ドバイでは、外で朝食をとる文化があり、朝の時間帯から営業しているカフェや食堂が多く見られます。ここでは、実際に体験した朝食メニューや、注目のレストランについて紹介します。

ドバイで定番の朝食メニュー スパイシーなカレーとパラタ

カレー パラタ

こちらが実際に食べた朝食で、カレーと、「パラタ」というモチモチとした食感が特徴のパンの組み合わせです。

スパイス香る温かい料理を、パンと一緒にシェアして食べます。

Information

ドバイでは多くの南アジア系移民が暮らしており、南インド・スリランカ系の朝食はとても一般的。

チャパティやパラタ、豆のカレー(ダール)などを朝からしっかり食べます。

そのほか、現地のエミラティ(UAE出身者)には、フムスやファラフェル、カバブといった中東の伝統的な朝食メニューが人気です。

お店によっては、チャイと一緒に手軽に楽しめるセットもあり、出勤前に立ち寄る人も。

国籍によってバリエーション豊かな朝食スタイルが楽しめるのも、ドバイの朝の面白いところですね。

ラクダの肉が食べられる「ZAM ZAM MANDI RESTAURANT (Al Karama)」

実はドバイでは、ラクダ肉は地元の伝統的な料理として扱われています。

ラクダ料理が食べられるお店は、観光客にもとても人気です。

そこで今回は、ドバイ・フレームの真向かい、Al Karama(アル・カラマ)にある「ZAM ZAM MANDI RESTAURANT 」を訪れました。

ZAM ZAM MANDI

Zam Zam Mandi Restaurantは、今回訪れたAl Karama(アル・カラマ)をはじめ、Deira(デイラ)などに複数店舗を展開する人気店です。

「マンダィ(Mandi)」と呼ばれる、炊き込みご飯に肉を添えた豪快な一皿が名物で、ラクダだけでなく、ラム、チキン、ビーフなど、さまざまな種類の肉で楽しめます。

実際に選んだ、ラクダのマンダィのメニューがこちらです。

camel meet

意外にもクセのない味で、多少硬さはありますが、噛めば噛むほどうまみが出ます。

お米もふっくらとしているうえに、肉のうまみを吸っていて、美味しく食べることができました。

ZAM ZAM MANDI RESTAURANT (Al Karama)

  • 住所:16 B Street, Al Karama, Dubai, UAE(アル・カラマ地区の中心にあり、地下鉄「ADCB Station」から徒歩圏内でアクセス良好)
  • 営業時間:11:00〜翌1:00頃まで(ランチ~深夜まで)毎日営業
  • 公式ホームページ
  • Instagram

ドバイでの和食文化を現地で調査|観光と食の融合を探る

寿司 寿司桶

観光を楽しむ一方で、実際にドバイにある日本食レストランをいくつか訪れ、市場調査も行いました。

ドバイでは日本食人気が根強く、さまざまなスタイルの店舗が存在しています。

以下、印象に残った2店舗をご紹介します。

ドバイの日本食レストラン

  • 木村屋
  • mizu

それぞれ見ていきましょう。

「木村屋」-本物の和食を意識した定番スタイル-

「木村屋」は、伝統的な和食スタイルを意識した人気の日本食レストラン。

寿司や天ぷら、ラーメン、焼き魚、和牛料理など、幅広いメニューを取りそろえています。

店内は木目調を基調とした落ち着いた内装で、日本の定食屋や居酒屋を思わせる空間づくりが特徴的です。

木村屋(Kimuraya Authentic Japanese Restaurant)

  • 住所:Panorama Building, Hotel St, Al Barsha Heights, Dubai, UAE
  • 交通アクセス:ドバイメトロ「Dubai Internet City Station」からタクシーで約5分。
  • 営業時間:12:00〜翌3:00(ランチ・ディナー+深夜営業)毎日営業
  • 電話番号:+971 4 399 4811
  • 公式ホームページ

現地でも「和食を総合的に楽しめる店」として知られており、ファミリー層からビジネス利用まで、幅広く対応しています。

「mizu」-家族連れやローカルの日本食ファンに愛されているお店-

日本食レストラン

「mizu」は、ドバイ中心部に位置する高級和食レストランで、寿司や刺身を中心に本格的な日本食を提供しています。

ロール寿司だけでなく、細巻きやにぎり、刺身も食べられます。そのほか、てんぷらやラーメン、鉄板焼き、焼きそばなど、幅広い日本食メニューが揃います。

MIZU Japanese Restaurant(ミズ・ジャパニーズ・レストラン)

  • 住所:Al Fahad Building, Sheikh Rashid Road, near LULU Hypermarket, Al Karama, Dubai, UAE
  • 交通アクセス:Dubai Metro ADCB Station(徒歩約10分)
  • 営業時間:毎日営業 11:00~(変動あり)
  • 電話番号:+971 4 454 270
  • Instagram

接待や記念日など、特別なシーンで利用されることが多いお店です。

落ち着いた雰囲気の中で本格和食を堪能したい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。

日本食材を扱うスーパーマーケットの品揃えと価格

ドバイ スーパー日本食

ドバイでは、「イオン」や「3Fils Market」などで日本食材が手に入ります。

醤油や味噌などの調味料はもちろん、冷凍うどん、カップラーメンも豊富に取り揃えてありました。価格は日本の約1.5〜2倍が目安ですが、品質や保存状態は良好です。

現地在住の日本人やアジア系住民にとって、貴重な買い物スポットとなっています。

まとめ

今回のドバイ視察では、「Gulfood2025」への参加をはじめ、現地の市場やスーパーマーケット、人気レストランなどを巡り、ドバイの食文化だけでなく、日本食文化の受け入れ状況についてもリサーチしました。

魚市場では、地元の消費者が求める魚種や加工スタイルを把握し、スーパーでは日本食材の種類や価格帯をチェック。さらに、ローカルに根付いた朝食文化も知ることができました。

注目すべきは、和食や日本食材への関心の高まりです。寿司やラーメンはもちろん、冷凍うどんや日本製の調味料などが一般のスーパーにも並び、現地の飲食店にも取り入れられ始めています。

日本食が“特別な料理”から“選択肢のひとつ”として日常に溶け込みつつある様子は、今後の市場拡大を予感させます。こうして、現地のリアルな食事情を知ることは、今後の海外展開や商品開発のヒントにもつながるのではないでしょうか。